代謝機能障害関連脂肪肝炎の治療薬として肥満治療薬が米国で承認
MASHってどんな病気?
- 肝臓(かんぞう)は体の中で「栄養の工場」みたいな役割をしていて、食べたものを分解したり、エネルギーに変えたりしています。
- でも、食べすぎ・運動不足・肥満・糖尿病などがあると、肝臓に脂肪がたまりすぎてしまうことがあります。
- その脂肪が原因で、肝臓に炎症(えんしょう)が起きたり、細胞が傷ついたりするのが「MASH」です。
発症のメカニズム(どうして起こるの?)
脂肪がたまる(脂肪肝)
→ 食べすぎや運動不足で、肝臓に脂肪がどんどんたまる。代謝のバランスがくずれる
→ インスリン(血糖を下げるホルモン)がうまく働かなくなり、糖や脂肪の処理がうまくいかない。炎症が起きる
→ 肝臓の細胞がダメージを受けて、免疫が反応し、炎症が起こる。線維化(せんいか)や肝硬変(かんこうへん)に進むことも
→ 長く続くと、肝臓がかたくなって働きが悪くなる。最悪の場合、肝がんにつながることも。
治療方法(どうやって治すの?)
MASHには、今のところ「これだけで治る!」という薬はありません。でも、生活習慣を見直すことがとても大事です。
基本の治療
食事の改善
→ 野菜・魚・豆類を中心にして、脂っこいものや甘いものを減らす。運動習慣
→ 毎日30分くらいのウォーキングや軽い運動を続ける。体重を減らす
→ 肝臓の脂肪が減ると、炎症もおさまりやすくなる。糖尿病や高血圧の治療
→ これらの病気があるとMASHが悪化しやすいので、しっかり治療する。
「ウゴービ」という薬が、米国で肝臓の病気MASHの治療薬として承認
2025年8月、アメリカの薬の安全をチェックする機関(FDA)が、「Wegovy®(ウゴービ)」という薬を、ある肝臓の病気の治療に使っていいよ!と新しく認めました。
その病気の名前は「MASH(マッシュ)」といって、食べすぎや運動不足などで体の代謝(エネルギーの使い方)がうまくいかなくなり、肝臓に脂肪がたまって炎症(えんしょう)が起きる病気です。ひどくなると肝臓がかたくなって、うまく働けなくなってしまいます。
ウゴービってどんな薬?
- ウゴービは、もともと体重を減らすための薬として使われていました。
- 今回の研究で、肝臓の炎症や傷を治すのにも役立つことがわかって、MASHの治療にも使えるようになったんです!
どんな研究があったの?
研究では、MASHの患者さんにウゴービを使ったグループと、使わなかったグループ(プラセボ)を比べました。
肝臓の傷がよくなった人の割合
→ ウゴービを使った人:約37%
→ 使わなかった人:約22%MASHの症状が消えた人の割合
→ Wegovy®を使った人:約63%
→ 使わなかった人:約34%
つまり、ウゴービを使った人のほうが、肝臓の状態がよくなった人が多かったということです!
なぜこの薬が大事なの?
MASHは、世界中でとても多くの人がかかっている病気です。特に太りぎみの人の3人に1人がMASHになると言われていて、アメリカだけでも約2,200万人がこの病気を持っていると考えられています。
今回の承認によって、ウゴービは「MASHの進行を止めるだけでなく、肝臓の傷を回復させる手助けもできる薬」として、新しい希望になりました。
まとめ
- Wegovy®は、もともと体重を減らす薬だったけど、肝臓の病気MASHにも効果があることがわかって、米国にて治療に使えるようになった。
- MASHは、食生活や運動不足が原因で起こる肝臓の病気で、世界中で多くの人が悩んでいる。
- この薬は、肝臓の傷を治す手助けをしてくれる、新しい治療の選択肢になった。
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